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2021年2月

2021年2月16日 (火)

四百五十九話 採用の山と谷

 コロナ禍で採用難が一転して、買い手市場となりました。昨年と今年の新卒者にとってはまさしく青天の霹靂です。中小企業にとっては、またとない人材獲得のチャンスといえますが、コロナ禍が収束すれば、また売り手市場一色に戻るのは目に見えています。よって、この機会を活かせるかどうかは少し長い目で見ると大きな鍵となりそうです。このような時期に採用に力を入れるのは中々できないのですが、この機会を活かせる会社とそうでない会社とで、大きく差がつくかもしれません。
 多くの中小企業は少し前まで、求人はするも応募者がない、応募者があっても人材が選べない状態でした。それが今は、多くの業種でじっくりと選べ、自社に適切な人材がいなければ、慌てる必要がない状況が続いています。もちろん、このような余裕のある会社は多くはないでしょうが、それが可能な状況となっています。
 人材を選ぶというのは、相手を見極めるわけですが、数回の面接程度では非常に難しいものです。また、良いと思った人材も会社に合っていなければ、売り手市場に変わった途端に辞めてしまいかねません。買い手市場、売り手市場に拘らず、もうこれからは、採用と定着に知恵を使い、力を注がない会社に良い人材は集まらない時代になったといえそうです。

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2021年2月 8日 (月)

四百五十八話 中小企業の人事のコツ⑤

 中小企業の採用戦略は大きく二つになります。新卒採用中心か、中途採用中心かです。
 新卒採用の大きなメリットは、組織だった人材階層をつくりやすいことと、20代、30代の層を充実させやすいことです。但し、ある程度継続した採用が前提となり、それなりの社員人数の規模が必要となります。また、デメリットは教育に時間・労力・コストがかかることです。そのために、短期で辞められても根気よく採用と教育を続ける覚悟が必要となります。
 それに対して、中途採用の大きなメリットは何と言っても即戦力です。したがって、即戦力になる人材を見極めることが重要になることと、即戦力型人材を活かすには、与える仕事を明確にしておくことが大切となります。中途採用は社会人としての常識や会社での仕事の基本は備わっていることが前提ですので、中小が苦手とする教育の負担は格段に減ります。但しそれは、逆にいえば、教育の土壌が育ちにくいともいえます。もう一つの大きなデメリットは、採用が継続されないこと、年齢が順送り型になりにくいために、いつまでたっても後輩ができない社員ができやすいことです。教わる、教えるという経験は重要で、マネジメント力を高めることに大きく寄与します。また、後輩ができることで、自分の力量の確認ができ、スキルアップ意欲につながります。

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