四百五十八話 中小企業の人事のコツ⑤
中小企業の採用戦略は大きく二つになります。新卒採用中心か、中途採用中心かです。
新卒採用の大きなメリットは、組織だった人材階層をつくりやすいことと、20代、30代の層を充実させやすいことです。但し、ある程度継続した採用が前提となり、それなりの社員人数の規模が必要となります。また、デメリットは教育に時間・労力・コストがかかることです。そのために、短期で辞められても根気よく採用と教育を続ける覚悟が必要となります。
それに対して、中途採用の大きなメリットは何と言っても即戦力です。したがって、即戦力になる人材を見極めることが重要になることと、即戦力型人材を活かすには、与える仕事を明確にしておくことが大切となります。中途採用は社会人としての常識や会社での仕事の基本は備わっていることが前提ですので、中小が苦手とする教育の負担は格段に減ります。但しそれは、逆にいえば、教育の土壌が育ちにくいともいえます。もう一つの大きなデメリットは、採用が継続されないこと、年齢が順送り型になりにくいために、いつまでたっても後輩ができない社員ができやすいことです。教わる、教えるという経験は重要で、マネジメント力を高めることに大きく寄与します。また、後輩ができることで、自分の力量の確認ができ、スキルアップ意欲につながります。
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