四百六十話 中小企業の人事のコツ⑥
仕事をどうやり繰りするかというマネジメントの観点から見ても、ジョブ型雇用は馴染まないという中小企業が多いでしょう。けれども、今後ジョブ型雇用が広がっていくなかで、ジョブ型の「仕事を明確にする」という側面は、中小企業も受け入れざるを得ず、また多くの中小企業にとってメリットも少なからずあると思われます。
中小企業では実際のところ、本人の仕事を明確にせず、仕事を与え、仕事がまわっている会社が多いと思います。けれども、仕事を明確にすること、すなわち、「あなたのメインの仕事(役割)は〇〇と〇〇です。」「あなたに期待することは〇〇です。」などと、定期的に明示することは、雇用契約上の必要性からだけでなく、本人のモチベーション・アップや定着率の向上、生産性の向上につながるでしょう。その傾向はこれから益々強くなるはずです。
本人のメインの仕事に限定し仕事を明確にすることは、「何でもする、何処へでも行く、残業も厭わない」という一般的にいわれるメンバーシップ型雇用の「暗黙の了承」を維持しながら、ジョブ型環境への対応をある程度可能とするでしょう。管理・監督職に「部下の仕事を明確にする」というマネジメント・ツールを与えるべきといえます。
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