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2021年5月

2021年5月31日 (月)

四百六十四話 中小企業の人事のコツ⑧

 これから数回にわけて、「目標管理」について説明します。「目標管理」はきちっと導入できれば、中小企業においてもデメリットのほとんどない制度です。また、評価制度や等級制度などの他の制度がなくても、単独で導入可能です。その意味では、正しく理解して導入すれば、あるいは有能なマネージャがいれば、他の人事制度のように「制度化」を意識する必要もないといえます。もちろん、「組織の制度化」ための一ツールとしても利用できます。
 中小企業において、「目標管理」の導入のポイントは、「目標を設定し遂行する人」、つまり部下本人にいかにフィットさせるかに尽きると言えます。失敗する企業の多くは、その逆で、「かたち」を押し付けようとします。「目標管理」は「目標を設定し遂行する人」のツールであり、「目標は自分の役割を全うするために設定するもの」という原点を忘れてしまいがちです。
 導入を一度失敗したら、立て直すのに導入時の何倍もの時間と労力を必要とするものです。逆に上手く行ったら、業績にも組織の活性化にも大きく返ってきます。その意味では慎重にすべきといえるのですが、「慎重に」というのは、一つのことだけを守ることです。それは、「上司側が目標管理を良く理解する」ということだけなのです。

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2021年5月 3日 (月)

四百六十三話 中小企業の人事のコツ⑦

  中小企業が〇〇制度などの人事のツールを使って人事の問題を解決、改善しようとするとき、難しいのは会社によってフィットするかどうかの差が大きいことです。その「会社のちがい」とは「組織化のちがい」といえるでしょう。組織化の程度によって、A社で上手く行った人事制度がB社では思うように進まない、逆に問題が大きくなってしまうようなことが起こります。
 その点からすると人事のツールの導入の仕方には、ある程度の順番があると思われます。一般的に「評価制度」などは導入しやすいツールといえます。理屈からいえば、「等級制度」などのレベルや身分、役割を明確にするツールを導入するべきでしょうが、経験上からいえば「組織立っていない会社」には、その会社に適した「評価制度」をじっくり構築した方が良い結果が得られる確率が高くなります。
 多くの中小企業にとって人事制度の必要性とは、これまで社長一人が何でも判断し行っていたものを「制度の力」を借りて、役割分担を進めることに尽きるといえます。その意味では、まずは「評価制度」で管理職クラスにツールとしての人事の浸透をはかることは、間違いの少ない選択となります。

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