四百六十四話 中小企業の人事のコツ⑧
これから数回にわけて、「目標管理」について説明します。「目標管理」はきちっと導入できれば、中小企業においてもデメリットのほとんどない制度です。また、評価制度や等級制度などの他の制度がなくても、単独で導入可能です。その意味では、正しく理解して導入すれば、あるいは有能なマネージャがいれば、他の人事制度のように「制度化」を意識する必要もないといえます。もちろん、「組織の制度化」ための一ツールとしても利用できます。
中小企業において、「目標管理」の導入のポイントは、「目標を設定し遂行する人」、つまり部下本人にいかにフィットさせるかに尽きると言えます。失敗する企業の多くは、その逆で、「かたち」を押し付けようとします。「目標管理」は「目標を設定し遂行する人」のツールであり、「目標は自分の役割を全うするために設定するもの」という原点を忘れてしまいがちです。
導入を一度失敗したら、立て直すのに導入時の何倍もの時間と労力を必要とするものです。逆に上手く行ったら、業績にも組織の活性化にも大きく返ってきます。その意味では慎重にすべきといえるのですが、「慎重に」というのは、一つのことだけを守ることです。それは、「上司側が目標管理を良く理解する」ということだけなのです。
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