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2021年6月

2021年6月18日 (金)

四百六十六話 中小企業の人事のコツ⑨

 目標管理の概要は、①本人が目標を設定し、②設定した目標の達成に向けて遂行し、③設定した期日に達成結果を確認し、①’また次の目標を設定し・・・以降を繰り返すという、単純なものです。よって、「制度」と呼べるほどの形式のあるものではなく、その内容が導入の価値を決めるものといえます。つまり「どのような目標を設定し達成したか」がすべてなわけで、形式はどのようなものでも構わないのです。したがって、他の人事制度と違って「かたち」をつくっただけでは成り立たず、まず「自分の目標」を設定しないと何も始まらない制度なのです。
 但し、そこにもう一つファクターが加わります。「自分の目標」といっても、なんでも良いわけでは当然ありません。会社という組織の中では自分の役割を果たすことが第一義なわけですが、それを度外視した目標はあり得ないでしょう。かといって、自分で何とかできないような目標は目標管理が扱う目標ではありません。自分の役割と設定すべき目標とがイコールとは限らないのです。そこが目標設定の難しいところですが、でも導入しても何を設定すれば良いか、わかっている人は多くありません。
 ほとんどの人は設定した目標が適切かどうか、判断できないのです(逆にいえば、わかっている人は目標管理などなくとも、しかるべき目標を達成し、どんどんパフォーマンスをあげます)。そこで、本人が設定した目標が適切かどうか、それを確認する必要があります。それが、もう一つのファクターである上司なわけです。つまり、目標管理とは、本人の目標に上司が適切な距離をもって関わり、本人の目標の達成をめざす制度といえます。
✒ 神戸の岡本にある、ブロイン堂は「昔のパン屋」という佇まいの小さなベーカリーです。人気の食パンは電話予約制ですが、なかなか繋がらず、すぐに完売になってしまいます。今年1月にTVの情熱Img_4514 大陸でとりあげられてから、さらにひどくなりました。ブロイン堂のパンはこだわりです。昔ながらのレンガ窯で焼きあげた頑固で硬いが味わい深いパンで、流行りの柔らかい食パンと一線を画します。創業89年、ずっと同じ窯で焼きあげたパンに競合する相手はいません。ブランドとは何かを教えてくれます。

 

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2021年6月10日 (木)

四百六十五話 コロナ禍の回復

 ワクチン接種で先行する米国や英国を見ると急速に経済が回復し、それに伴い、偏ってはいますが物価の上昇と人手不足が深刻になっています。勿論、変異種などによる不確定な要素はありますが、同様のことが早晩、ワクチン接種が進むわが国でも起こるのではないかと思われます。
 物価上昇と人手不足はとうぜん、賃上げに直結します。また、昨年は全国加重平均で1円しか上がらなかった最低賃金を政府はもとに戻し、早く全国平均額を1000円にするために、上げ幅をこれまでの20円台後半にする方針です。最低賃金がどうなるか、先行きまだわかりませんが、賃金は全体に上がると考えていた方がどうやら良さそうです。
 中途採用は、例年だと今が一番採りやすい時期で、これから年末に向けて求人倍率が上がっていきます。おそらく、今年はそのカーブが極端になるでしょう。ということは、採用についてはこれから夏くらいまでがチャンスで、その後は途端に厳しくなりそうですから、採用を迷っているような会社は「思い切って、今のうちに」と決断されてはどうでしょうか。勿論、「今のうちに」というのは「じっくり応募者を選べるのは」という意味ですが。


 

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