四百六十六話 中小企業の人事のコツ⑨
目標管理の概要は、①本人が目標を設定し、②設定した目標の達成に向けて遂行し、③設定した期日に達成結果を確認し、①’また次の目標を設定し・・・以降を繰り返すという、単純なものです。よって、「制度」と呼べるほどの形式のあるものではなく、その内容が導入の価値を決めるものといえます。つまり「どのような目標を設定し達成したか」がすべてなわけで、形式はどのようなものでも構わないのです。したがって、他の人事制度と違って「かたち」をつくっただけでは成り立たず、まず「自分の目標」を設定しないと何も始まらない制度なのです。
但し、そこにもう一つファクターが加わります。「自分の目標」といっても、なんでも良いわけでは当然ありません。会社という組織の中では自分の役割を果たすことが第一義なわけですが、それを度外視した目標はあり得ないでしょう。かといって、自分で何とかできないような目標は目標管理が扱う目標ではありません。自分の役割と設定すべき目標とがイコールとは限らないのです。そこが目標設定の難しいところですが、でも導入しても何を設定すれば良いか、わかっている人は多くありません。
ほとんどの人は設定した目標が適切かどうか、判断できないのです(逆にいえば、わかっている人は目標管理などなくとも、しかるべき目標を達成し、どんどんパフォーマンスをあげます)。そこで、本人が設定した目標が適切かどうか、それを確認する必要があります。それが、もう一つのファクターである上司なわけです。つまり、目標管理とは、本人の目標に上司が適切な距離をもって関わり、本人の目標の達成をめざす制度といえます。
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