四百七十三話 中途採用
中途採用はコロナ禍前のことを思えば、比較的採りやすい状況といえます。したがって、できればじっくりと見極め、自社に適う人材を採りたいところです。
一般論を言えば、中途採用は即戦力重視といえますが、自社が求めている人材を見失わないことが肝心でしょう。送られてくる履歴書や面談をすると、どうしてもいずれの応募者も良く見えてしまいがちです。とくにこれまで応募が少なかったり、一向に良い人材に巡り合わなかったりということがあったりすると、何人もの応募があると期待が先行してしまいます。また、安くはない採用費用を思えば、この機会に決めてしまいたいと思いがちです。
けれども、自社に合っていない人材をいったん採用してしまうと、すぐに辞めて貰うのも難しく、そのマイナス効果は大きいものです。とくに指導やらミスのリカバリーをしないとならない現場の負担はたいへんなものとなります。新人への期待が落胆に変わるわけですから、精神的にも堪えるでしょう。
自社が求めている人材を見失わないためには、その要件を書きだすことです。標準的なところではポイントは3つです。一つは、任せる業務への適合性です。職歴等の確認は大事ですが、試験も必ずすべきです。営業の経験あって流暢に喋る人でも、文章がまるで書けない、計算ができない人は多いものです。二つ目は、報連相の能力です。これが弱いと現場が苦労します。こちらの伝えたことをきちっと理解し、返答できることを面談で見極めます。最後は、人に合わせることができるかどうかです。人の話を素直に聞く姿勢があるかなどです。これも面談で判断するしかありません。したがって、2回は面談の機会を設けたいものです。
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