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2021年9月

2021年9月14日 (火)

四百七十三話 中途採用

 中途採用はコロナ禍前のことを思えば、比較的採りやすい状況といえます。したがって、できればじっくりと見極め、自社に適う人材を採りたいところです。
 一般論を言えば、中途採用は即戦力重視といえますが、自社が求めている人材を見失わないことが肝心でしょう。送られてくる履歴書や面談をすると、どうしてもいずれの応募者も良く見えてしまいがちです。とくにこれまで応募が少なかったり、一向に良い人材に巡り合わなかったりということがあったりすると、何人もの応募があると期待が先行してしまいます。また、安くはない採用費用を思えば、この機会に決めてしまいたいと思いがちです。
 けれども、自社に合っていない人材をいったん採用してしまうと、すぐに辞めて貰うのも難しく、そのマイナス効果は大きいものです。とくに指導やらミスのリカバリーをしないとならない現場の負担はたいへんなものとなります。新人への期待が落胆に変わるわけですから、精神的にも堪えるでしょう。
 自社が求めている人材を見失わないためには、その要件を書きだすことです。標準的なところではポイントは3つです。一つは、任せる業務への適合性です。職歴等の確認は大事ですが、試験も必ずすべきです。営業の経験あって流暢に喋る人でも、文章がまるで書けない、計算ができない人は多いものです。二つ目は、報連相の能力です。これが弱いと現場が苦労します。こちらの伝えたことをきちっと理解し、返答できることを面談で見極めます。最後は、人に合わせることができるかどうかです。人の話を素直に聞く姿勢があるかなどです。これも面談で判断するしかありません。したがって、2回は面談の機会を設けたいものです。

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2021年9月 1日 (水)

四百七十二話 中小企業の人事のコツ⑫

 目標管理における「目標設定」とは、次の三つを整えることです。
 一つは、なにをどうするかという「目標の方向」です。たとえば、「この半期の売上は前期を上回る確保をする」とか「6か月後の不良率を下げ、生産性を上げる」とかになります。ここは抽象的でも構いません。とりあげる目標の方向を明確にします。
 二つには、どこまでするかという「達成基準」です。たとえば「半期で1000万円」とか「6か月後の不良率を3.0%」とかです。これはできるだけ具体的にします。現状では数字の検証をしないと具体的にならない場合などは、仮の数字を出しておき、確定する予定日を決めておきます。
 三つには、どうやってするかとういう「達成方法」です。たとえば、「4月中に重要訪問先を絞り込んで、10件実行する。5月は・・・」とか「4月半ばまでに前期の不良原因の分析を完了し、4月末までに最低2つの要因の消込を実行する。5月は・・・」などです。達成方法が具体的なほど達成の確率は高まります。逆に具体的にならない目標の多くは達成されないといえます。
 この三つのうちで、もっとも重要なのは一つ目の「目標の方向」です。この方向を間違えると、これからの6か月や1年が無駄になるばかりか、会社の足を引っ張りかねません。また、何を目標設定して良いかわからない、目標設定シートが白紙のままというのは実際にはよくあることです。でも、この「目標の方向」だけは決めておくようにすることです。

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