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2021年10月 4日 (月)

四百七十四話 中小企業の人事のコツ⑬

 はじめて目標設定してもらうと、ほとんどの人が抽象的な達成基準を書きます。「得意先をできるだけ沢山訪問する」「今まで以上に提案数を増やす」「これまでと違う新しい市場を開拓する」「自責のミスを減らす」などですが、これらは「目標の方向」であって、「達成基準」とは言えません。ここから、できるだけ具体化しないとなりません。
 また、目標を達成するには、とうぜん本人が達成に向けてアクションを起こさないとなりませんが、抽象的な達成基準だと「いつ、なにを、どうするべきか」というアクションの動機付けになりにくいのです。よって、抽象的な達成基準のままだと、目標は達成されにくいといえます。
 達成基準を具体化するためには、上司から次のような質問が有効です。たとえば、「訪問するのは何軒か」、またそれは「6か月の合計なのか、毎月の件数なのか」、あるいは、「新しい市場の開拓はどこまでできそうか」、「それは新商品提案なのか、新しい顧客とコンタクトをとることか」などという具合です。このことによって、ぼんやりしていた目標が明確になって行きます。ただし、すべての達成基準を具体化できるかといえば、できないものもあります。正確に言えば、「机上で考えている、今はまだできない」のです。つまり、何か一つを具体化し、一つステージが進まないと、次の具体化が見えないものというのは結構あるのです。
 したがって、目標管理とは言い換えると、目標を具体化して行く作業ともいえます。そのために、上司の役割はとても大きいと言えます。

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