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2022年1月

2022年1月28日 (金)

四百八十一話 中小企業の人事のコツ⑭

 目標管理の導入の成否は、「目標設定」で決まると言っても過言ではありません。けれども、これまで説明してきたように「目標設定」は経験のない人にとっては難しいものです。また、「自分でしないと意味がないもの」です。したがって、時間を掛けてでも、まずは納得のいく設定をさせるべきといえるでしょう。つまり、指導し、設定をさせ、ダメ出しをし、再設定させる、というように根気よく繰り返すわけです。
 目標設定が完了すると、次のステージは「いかに達成するか」で、上司にとっては「いかに達成させるか」です。目標が絵に描いた餅にならないよう、達成に向けて、遂行して貰わないとなりません。そのためには、早い段階で「取り掛かっているか」「どこまで進んでいるか」を確認しないとなりません。これは、実務上は思いのほか大事なことです。会社としては、目標設定後の早い段階でオフィシャルに定期面談を設けるのが良いのですが、個別に「あの目標はどうなっている?」と、ちょっと訊くだけでも効果は大きいものです。
 ここで、マネジメント的には、放任と過度の介入のあいだの「適度に距離を置いた介入」を上司は学ぶことになります。しかも、それは相手(部下)によって、やり繰りすべきことをです。
 指導の基本は「相手に合わせた指導」ですが、目標管理においてもそのセオリーは有効です。

 

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2022年1月 4日 (火)

四百八十話 今年の人事の課題

 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
 中小企業の今年の人事の共通課題は、まずは賃上げと採用です。4月に向けて春闘が本格化し、賃上げ議論で騒がしくなるでしょうが、中小企業には直接は関係しません。それよりも、賃上げのムードと採用難が初任給を押し上げる方が影響が大きそうです。とくに中途採用中心の会社は、相場についていかざるを得ないでしょう。初任給の上昇はベアと同じ効果を持ち、既存社員の賃金を底上げします。また、今年の春闘の結果は来年の新卒初任給相場に反映しますので、注視しておく必要があります。おそらく、この数年の中では大幅に高くなると思われます。
 採用はコロナ禍の影響次第で大きく変わるでしょうが、ワクチンや治療薬の進展で先が見えつつありますから、先を見越して大手の採用が活発化し、そのお陰で中小の採用市場の人材は希薄になりそうです。
 また、長期的には人材の流動化のスピードを見定めておく必要があるでしょう。大手の中途採用比率、国の流動化施策、それにジョブ型雇用の動向を注視することが大事になります。定期採用や総合職、社内組合など、世界的には特殊な日本の人事と雇用の形態も、これらのスクラムのどこかが崩れると案外、全体の崩壊が早いかもしれません。それに備えるには、企業が人材の獲得と定着に向けて何かアピールできる魅力を持たないとならなくなるでしょう。他社にない特徴を見つける、或いは創ることが今年はこれまで以上に問われそうです。

🎤 Et2022 年賀のイラストは神戸の摩耶埠頭を描いたものです。クルマを港から積み込むため、大型船をタグボートが岸壁へ押しています。コロナ禍でも神戸の港は毎日淡々と動いています。そして、E LA NAVE VA 今日も船は前へ進んでいます。


 

 

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