四百八十話 今年の人事の課題
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
中小企業の今年の人事の共通課題は、まずは賃上げと採用です。4月に向けて春闘が本格化し、賃上げ議論で騒がしくなるでしょうが、中小企業には直接は関係しません。それよりも、賃上げのムードと採用難が初任給を押し上げる方が影響が大きそうです。とくに中途採用中心の会社は、相場についていかざるを得ないでしょう。初任給の上昇はベアと同じ効果を持ち、既存社員の賃金を底上げします。また、今年の春闘の結果は来年の新卒初任給相場に反映しますので、注視しておく必要があります。おそらく、この数年の中では大幅に高くなると思われます。
採用はコロナ禍の影響次第で大きく変わるでしょうが、ワクチンや治療薬の進展で先が見えつつありますから、先を見越して大手の採用が活発化し、そのお陰で中小の採用市場の人材は希薄になりそうです。
また、長期的には人材の流動化のスピードを見定めておく必要があるでしょう。大手の中途採用比率、国の流動化施策、それにジョブ型雇用の動向を注視することが大事になります。定期採用や総合職、社内組合など、世界的には特殊な日本の人事と雇用の形態も、これらのスクラムのどこかが崩れると案外、全体の崩壊が早いかもしれません。それに備えるには、企業が人材の獲得と定着に向けて何かアピールできる魅力を持たないとならなくなるでしょう。他社にない特徴を見つける、或いは創ることが今年はこれまで以上に問われそうです。
🎤 年賀のイラストは神戸の摩耶埠頭を描いたものです。クルマを港から積み込むため、大型船をタグボートが岸壁へ押しています。コロナ禍でも神戸の港は毎日淡々と動いています。そして、E LA NAVE VA 今日も船は前へ進んでいます。
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