四百八十二話 人を動かすコミュニケーションの基本スキル
些細なことが原因で、多くの中小企業において生産性が悪くなっていたり、士気が低下していたりすることがよく見受けられます。その原因の多くは、いわゆるコミュニケーション不足によるものです。
そのような会社や部署でコミュニケーション不足を指摘すると、大方の答えが「きちんと伝えている」「繰り返し説明している」などと返ってきます。コミュニケーションとは「相互理解」なのですが、問題のある会社や部署では往々にして「一方通行」だったりするわけです。つまり、上司等は「伝えたつもり」「説明したつもり」なのです。ほんとうに伝わったかどうかは、相手に確認するしかないのですが、そのひと手間が不足しているのです。それはマネジメントの基本スキルなのですが、それを身につけていない管理・監督職が多いのも事実でしょう。そのひと手間は誰にでも身につけられるものですから、はじめに教えておくべきです。
相手にほんとうに伝わったかどうかの確認は、復唱さす、書かせる、相手に訊く、やらせるわけですが、いつまでも復唱というわけにも行きません。伝えたことをほんとうに理解しているかどうかを知るには、何を訊けば良いか、ポイントを掴んでいるのが有能な上司といえます。でも、これは習慣で身につけることができます。また、訊くよりもっと簡単な方法は、相手から報告させることです。「さっき言われていたのはこういうことですか」と少し手掛けたところで、方向に間違いがないかどうかを相手から確認に来させるようにすることです。このような指導・育成が、組織づくりのはじまりといえます。
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