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2022年3月

2022年3月14日 (月)

四百八十四話 中小企業の人事のコツ⑮

 目標管理で目標を設定し、「やれやれ」と思っていると往々にして失敗をします。目標設定は大事ですが、目標管理の目的はあくまで目標達成することですから、設定してからが本番といえます。
 前回に、早い段階で目標の進捗確認をすることが大事と書きましたが、進捗確認の面接(レビュー)をすることで様々なことが見えてきます。進捗確認のの面接には、大きく四つの確認事項があります。
 一つは、目標が「どこまで進んでいるか」ですが、同時に目標を正しく理解しているか、現実と乖離していないかなど目標設定の妥当性を検証します。当初は机上の設定だったものが、実際に少し進めた後に確認することによって、双方ともによくわかるものです。
 二つには、「障害や問題は無いか」です。順調に進捗していて、障害や問題が無ければ、上司からの余計な干渉は不要でしょう。もし、障害や問題があれば、当然、取り除く必要がありますが、上司はそれが何かを本人に明確に理解してもらうことが大事になります。少しも進んでいない、予定通り進んでいないのも勿論、ここで扱う「問題」なわけですが、その本当の理由を正しく共有することが必要です。たいていは本人が「ルーチン業務が忙しくて、単に手をつけていないだけ」という場合が多いので、その場合は「いかに手をつけさせるか」を実行すれば良いことになります。でも、ここで「手をつけていない」理由が他にないかを探ることは重要です。さもないと、目標はずっと「手をつけられない」ままになりかねません。意外に「言えない理由」があったりするものです。
 三つには、「達成の見通し」です。本人がどう考えているかが大事ですし、見通しを共有することが必要です。同時に目標管理は目標をあくまで達成することが目的ということを再確認します。上司からすれば、「いかに達成させるか」を忘れてはいけません。
 最後は、目標に対する「次のアクション」です。上述の三つは飛ばしても、この確認だけを押さえておけば、目標は確実に前進する魔法の言葉といえます。目標を少しでも進める上では、結局のところ、次に「いつ」「なにをするか」がもっとも鍵となるわけです。

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2022年3月 4日 (金)

四百八十三話 採用試験

 以前は履歴書と面接くらいで採用決定していた会社も、「採用してみたら、とんでもなかった」という例が続いたりして、最近では中小企業においても採用試験をする会社が普通になってきました。面接は「わが社に相応しい人材」を選ぶのに重要な手続きですが、確認できないことも多くあります。したがって、試験等で補足する必要があります。
 たとえば、話すのは流暢で内容も的確という人が、文章を書かしたらでたらめで、何を説明しているのかさっぱりわからないというケースは普通にあります(勿論、その逆もあって、話すのはたどたどしいけれども、文章を書いたらきちっと書けて内容も的確というケースもよくあります)。また、履歴も問題なく、面接ではしっかりしていそうな人が、簡単な計算ができなかったり、文章の理解力がまるでない、単純な作業をさせたらミスが多い、異なる複数の仕事を処理できないなどもよくある例です。これらが教えているのは、話すことと書くこと、読むこと、計算すること、作業すること等とは別物だということです。われわれは姿勢も良く、的確な話をする人はすべてにおいてよくできる、或いは他のことでもある程度のレベルは持っていると思いがちですが、実際はそうでもない例が多いということです。
 かと言って、オールマイティな理想的な人を求め過ぎると、この人不足の状況において誰も採用できなくなりますから、自社に合った必要な人材をはかる自社に合った試験等を実施し、採用判定を補足する必要があると言えるでしょう。基本は、採用後に予定のメイン業務に絶対に必要な能力をおおよそでもはかれる試験と、メインではないがそれについてはわが社の社員として最低限必要というレベルをある程度はかれる試験を実施することとなります。
 一般的にいえば多くの業務は、ひとの話を素直に聞けて、きちんと理解し、数字の計算ができさえすれば、あとは採用後に教育することでなんとかなるともいえます。

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