四百八十四話 中小企業の人事のコツ⑮
目標管理で目標を設定し、「やれやれ」と思っていると往々にして失敗をします。目標設定は大事ですが、目標管理の目的はあくまで目標達成することですから、設定してからが本番といえます。
前回に、早い段階で目標の進捗確認をすることが大事と書きましたが、進捗確認の面接(レビュー)をすることで様々なことが見えてきます。進捗確認のの面接には、大きく四つの確認事項があります。
一つは、目標が「どこまで進んでいるか」ですが、同時に目標を正しく理解しているか、現実と乖離していないかなど目標設定の妥当性を検証します。当初は机上の設定だったものが、実際に少し進めた後に確認することによって、双方ともによくわかるものです。
二つには、「障害や問題は無いか」です。順調に進捗していて、障害や問題が無ければ、上司からの余計な干渉は不要でしょう。もし、障害や問題があれば、当然、取り除く必要がありますが、上司はそれが何かを本人に明確に理解してもらうことが大事になります。少しも進んでいない、予定通り進んでいないのも勿論、ここで扱う「問題」なわけですが、その本当の理由を正しく共有することが必要です。たいていは本人が「ルーチン業務が忙しくて、単に手をつけていないだけ」という場合が多いので、その場合は「いかに手をつけさせるか」を実行すれば良いことになります。でも、ここで「手をつけていない」理由が他にないかを探ることは重要です。さもないと、目標はずっと「手をつけられない」ままになりかねません。意外に「言えない理由」があったりするものです。
三つには、「達成の見通し」です。本人がどう考えているかが大事ですし、見通しを共有することが必要です。同時に目標管理は目標をあくまで達成することが目的ということを再確認します。上司からすれば、「いかに達成させるか」を忘れてはいけません。
最後は、目標に対する「次のアクション」です。上述の三つは飛ばしても、この確認だけを押さえておけば、目標は確実に前進する魔法の言葉といえます。目標を少しでも進める上では、結局のところ、次に「いつ」「なにをするか」がもっとも鍵となるわけです。
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