四百八十三話 採用試験
以前は履歴書と面接くらいで採用決定していた会社も、「採用してみたら、とんでもなかった」という例が続いたりして、最近では中小企業においても採用試験をする会社が普通になってきました。面接は「わが社に相応しい人材」を選ぶのに重要な手続きですが、確認できないことも多くあります。したがって、試験等で補足する必要があります。
たとえば、話すのは流暢で内容も的確という人が、文章を書かしたらでたらめで、何を説明しているのかさっぱりわからないというケースは普通にあります(勿論、その逆もあって、話すのはたどたどしいけれども、文章を書いたらきちっと書けて内容も的確というケースもよくあります)。また、履歴も問題なく、面接ではしっかりしていそうな人が、簡単な計算ができなかったり、文章の理解力がまるでない、単純な作業をさせたらミスが多い、異なる複数の仕事を処理できないなどもよくある例です。これらが教えているのは、話すことと書くこと、読むこと、計算すること、作業すること等とは別物だということです。われわれは姿勢も良く、的確な話をする人はすべてにおいてよくできる、或いは他のことでもある程度のレベルは持っていると思いがちですが、実際はそうでもない例が多いということです。
かと言って、オールマイティな理想的な人を求め過ぎると、この人不足の状況において誰も採用できなくなりますから、自社に合った必要な人材をはかる自社に合った試験等を実施し、採用判定を補足する必要があると言えるでしょう。基本は、採用後に予定のメイン業務に絶対に必要な能力をおおよそでもはかれる試験と、メインではないがそれについてはわが社の社員として最低限必要というレベルをある程度はかれる試験を実施することとなります。
一般的にいえば多くの業務は、ひとの話を素直に聞けて、きちんと理解し、数字の計算ができさえすれば、あとは採用後に教育することでなんとかなるともいえます。
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