四百八十六話 人材採用戦略
中小企業の採用方針の一つ目の選択は、新卒メインか、中途採用メインか、或いは混成かを決めなければならないことです。これは、大手企業も同じですが、近年、大手企業も中途採用が増えてきたものの、実態はまだまだ新卒中心となっています。中小企業では様々な理由から、中途採用100%の会社は沢山あります。新卒、中途採用、どちらが自社の仕事、組織、経営方針に相応しい人材を獲得できるかを一度は考える必要があるでしょう。
採用方針のもう一つの選択は、採用基準のバーをあげて高技能集団等をめざすか、あるいはそこそこの人材を上手くやり繰りして活用するかです。採用基準のバーをあげて人をセレクトするには、賃金の水準や企業の知名度、魅力度、仕事の魅力度がないと難しく、その要素に欠けると、はなから人が集まらないでしょう。よって、この選択をできる中小企業は非常に限られることになり、多くの中小企業は「そこそこの人材を上手くやり繰りする」しかないのが実際のところです。「そこそこの人材を上手くやり繰りする」ためには、教育とマネジメントが重要なのですが、どちらも苦手な会社が多いのも事実です。それでも多くの会社が上手くやって行けているのは、優秀な経営者がすべてを見ているからです。でも、この構造も危うくなる局面が訪れます。それは、一つが事業の継承のときであり、もう一つが人数が増えて、経営者が見渡せなくなるときといえます。
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