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2022年12月13日 (火)

四百八十九話 賃上げ予測

 11月以降、観光地や繁華街の人出は急激に増え、外国人もかなり見るようになりました。政府の全国支援キャンペーンと2年ぶりの外国人客受け入れと円安効果、加えて重症化率の低さからのコロナ慣れもありそうです。影響受けていた販売やサービス業も年末に向けて盛り返しつつあります。
 お陰で人不足は尋常ではなく、中途採用と人材派遣は皆目集まらず、中小企業の雇用は厳しい限りです。
 人不足と物価上昇と合わせて、否応なく賃金は上がります。春の賃上げのシンクタンクの数字はベア込定昇でおおよそ2.4~2.7%、今年の2.2%を超えるでしょう。中小もベア1%は覚悟しておかないとならなくなりそうです。
 米国は人不足もあって、物価上昇と賃上げを繰り返す、インフレ・スパイラルが起こり、FRBは大幅利上げを繰り返して鎮静化に躍起です。日本は米国ほどではないにしても物価は上がっている上に人不足にも拘らず、賃金がついて行くかどうか疑問なことから、日銀も金融緩和政策の維持、金利を据え置いて様子見を決めているようです。
 春の賃上げがどうなるかがヤマ場ですが、日本は物価上昇で実質賃金が目減りし、その上人不足ですから、賃金が上がって良さそうなものですが、日本だけがどういうわけか、なかなか上がらないのです。その理由を学者等が書いていますが、「生産性の低迷」を一番に挙げています。「生産性の低迷」で企業に賃上げ余力がないのです。確かにそう思いますが、それに加えて、世界と異なり日本社会の特殊性から来る、あと二つの理由がるように思います。
 一つは、横並び意識です。それは定期採用とも関係していて、賃金を業界の水準に合わせるのです。大手総合商社の初任給が良い例です。
 もう一つは、正社員の職能給賃金による定期昇給です。日本以外はJOB型賃金で、定期昇給という概念がほとんどありません。正社員は定期昇給があるのでベアがなくとも上がるのです。したがって不満が出にくいのです。それに反して、パートや派遣はJOB型ですから人不足は直ぐに影響します。また、職能給というクローズ型賃金のために日本には賃金相場や賃金指標がほぼ無い状態です。よって、昇給ではなく賃金水準は比較する手立てがないと言え、余計にベアが起きにくいと言えます。
 但し、大幅に賃上げする企業が目立つようになれば、流れは大きく変わるでしょう。当面は賃上げ記事に要注意です。

事務所のフロア移転と執筆などでブログが疎かになっていましたが、久々の更新です。ブログに手が回らない状態が、まだもう少し続きそうです。年末年初にはブログに注力したいのですが。

 

 

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