四百九十三話 介護離職
最近、関与先でもベテランが突然、退職する例が増えています。その要因の一つとして介護離職があげられます。事前に相談があれば、まだ対策のしようもあるのですが、たいていの場合、会社に報告があった時点ですでに退職の意思が固まっていて、なすすべがないというのが多くのケースです。
これは大手も事情が変わらないのですが、先日、日経にコマツが介護の相談会で効果を上げているという記事が大きく載っていました。介護休業は法定が93日で給付金も出ます。コマツはそれを3年に延長し手当も付けていたのですが、利用者は5年でわずか18人だったようです。そこで隠れ介護者など社員の本当のニーズに寄り添えてないのではと思い、専門家による相談会を設けて、抱える不安や悩みを聞くようにすると、満席が続いて、離職率もかなり下がったとのことです。
介護の問題は急に来るうえに、会社や上司に相談すると「職を奪われる」「賃金が下がる」などで打ち明けにくい、わざわざ会社を休んで外部に相談にも行きづらいなどの理由から、不安や悩みをかかえたまま会社に来ている社員は予想以上に多く、放っておくと離職まで行ってしまいかねないといえます。
社内に外部の専門家を入れて、事前の相談できる場を設けることは一定の効果がありそうで、人数の多い会社、高齢化の進む会社は検討の余地があると思われます。
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