四百九十七話 事情に仕事を合わせる
もともとどちらかといえばJOB型で比較的流動化しているパートさんの労働市場ですが、これだけ売り手市場なうえに最低賃金が大きく上がると、賃金差をつけにくくなり、流動化はさらに進むと思われます。各社、採用とともに定着の対策を余儀なくされそうです。
「働く時間が限られている」「急に休まざるをえなくなったりする」という事情で正社員ではなく、パートで働くという人も結構多く、それゆえに「限られた時間で仕事はきちっとする」ので生産性も高かったりするのは確かです。
このようなパートさんを確保し定着してもらうには、絶対条件となる「限定された労働時間」「突発的な休み」をクリアしないとならないわけですが、そんな都合のいい仕事、柔軟な仕事、あるいは柔軟な人員体制を整えられるという会社は稀でしょう。つまり、仕事に働き方を合わせてもらうのではなく、仕事を働き方に合わせるわけで、極端にいえば、「今日働く時間は自分で決められる」「出勤日に無断で遅れても休んでも構わない」という職場です。実は実際にそのような工場の例などがあり、何年も退職者が出ていなかったり、生産性も上がったりしています。
自社でもそのようなことができるかどうか兎も角、この例から言えることは、極端ではなくともパートさんが働きやすい職場にすれば、定着は確実に上がるということです。また、どこの職場でもできるわけではないことが、さらに定着率を高めるともいえます。「はなからあり得ない」とばかりも言ってられず、検討を余儀なくされつつあるといえそうです。
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