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2023年10月13日 (金)

四百九十八話 中小企業のリテンション

 これまでも中小企業は人材不足に頭を痛めてきましたが、これからはさらにもっと悩ましい状態になりそうです。
 人口減に加えて大手が採用を活発化させ、しかも中途採用の比重も高めていることから、採用もさることながら、人材の定着・維持にもこれまで以上にパワーをかけなくてはならなくなりました。
 どこまで真実を伝えているかは疑問ですが、多くの調査データは離職の要因の上位に賃金水準をあげています。確かに中小企業において、仕事にある程度習熟した人材やベテランの域に入る人材の離職の理由に賃金は大きいかと思います。けれども、賃金水準では多くの中小企業は大手に太刀打ちできません。したがって、人材の定着・維持に賃金水準だけで勝負するには無理があるでしょう。
 では、中小企業の人材の定着・維持において賃金水準以外でなにが有効かを考えた場合、候補は大きく二つに絞られます。一つは「本人の個別の事情の考慮」、もう一つは「仕事の面白さ」です。「本人の個別の事情の考慮」とは要は働き方に融通を利かせてくれるかどうかです。杓子定規に「きまりだから」「特別扱いはだめ」などとしてしまうと大手と同じになってしまいます。できるだけ不公平感を出ないようにしつつ、融通を利かせられるしくみが求められます。「仕事の面白さ」では、これからの鍵は「裁量」と「協同」です。これは最近のスポーツを見ればわかるように「自分で考えてやれる」と同時に「仲間と共有できる」ことです。指導・教育を含めたマネジメントはこのことを理解し、変わる必要があるでしょう。
 経営者とともに管理職もそろそろ頭を切り替える必要がありそうです。

Photo_20231013131401蔭さまで、再び増刷となりました。ドカンとはいかないようですが、コツコツと売れているようです。 左頁は図表で、右頁に本文が書かれていますが、本文は簡潔ですぐに読み切れる内容にしています。もっともわかりやすい、現場のリーダーの手引書としてじわりと拡がってくれたら嬉しいですね。

 


 

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