五百三話 中小企業の賃上げ①
日本がデフレ停滞経済から脱却し、インフレ好循環経済に転換するには賃上げが鍵で、そのまた鍵が中小の賃上げという記事を目にします。
その中小の賃上げの鍵は価格転嫁といえますが、大阪シティ信金の2月上旬の調査では、価格転嫁できている企業が64.8%と昨年より5.8ポイント上昇しています。これは経済産業省が出している企業全体の昨年からの価格転嫁の概況とも一致しています。
大阪シティ信金の調査は大阪府下約1000社が対象でそのうち20名以下の少人数の企業が8割を占めているデータです。それを思えば、価格転嫁もジワリと浸透している感があります。
業種別では製造業65.3、卸売業70.4、小売業61.4、サービス業69.3とまずまずの数字ですが、もっとも末端の運輸業が50.7と低いのがやはり気になります。ここが上がってくれば、中小の賃上げも勢いがつきそうですが、鍵となる内需がもう一つでモノの動きがまだ悪いようです。もう少し時間がかかりそうですが、4月から始まる労働時間規制の影響が最後の鍵となりそうです。
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