第五百八話 長期清算型賃金
日本の賃金はこれまでどちらかと言えば長期清算型で、日本以外の賃金はずっとどちらかと言えば時価型のJOB型賃金です。このところ、日本の長期低迷はこの日本型賃金、日本型雇用に目を向けられ、早期のJOB型雇用への転換などが趨勢のようで、日本の人事システムはどうもあまり人気がありません。
確かにIT関係の分野などには、日本型賃金が適合しているようには見えません。今必要なハイスキル人材の採用次第で勝負がつくような分野は時価型賃金による雇用の流動化が必要でしょう。衰退産業から成長産業への人材の移動やより相応しい仕事へ職務と人材のマッチングにも日本システムは適していないかもしれません。けれども、まだまだ日本システムが活かせる分野もありそうです。
たとえば、次世代エネルギーの代表として期待される核融合炉は、その開発で世界的な競争となりつつありますが、それに必要な部品の多くは日本の中小企業が提供しています。その部品は開発に10年とか30年とかかかるものが多く、欧米の企業は早くに諦めてしまったために、長期にじっくりと取り組むのが得意な日本の中小企業が残り、国内だけでなく世界から受託がはじまっています。
人事システムは一つの企業の問題ではなく、社会基盤の問題です。一度失った社会システムは戻りません。日本が何を活かして世界にアピールするか、今まさに選択を迫られていると言えるでしょう。
✒うめきた の開発も着々と進み、先週に「グラングリーン大阪」として先行街びらきがありました。27日に弊グループの関与先の親睦会を梅田スカイビルで行いますが、 36階の会場から写真のよ うにうめきたの全容が見渡せます。やはり、都心駅前の広大な芝生広場はインパクトがあります。大阪らしからぬといえば、らしからぬですが、上手く活かして欲しいものです。
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